解説記事

会社の仕事の進め方を言葉で説明すると、そのまま動く規則になる

GembaOS を自社向けに立ち上げる業務責任者・管理者と、その設定を承認する立場の方に向けて書いています。

GembaOS は、AI エージェントを職務権限規程・稟議・監査のもとで運用するための実行基盤です。ポリシーによる権限判定、パラメータに紐づくワンタイム許可証、人の承認記録を、オンプレミスまたはプライベート VPC 上で提供します。

AI エージェントを統制する道具の多くは、最初に設定ファイルの書式を渡してきます。GembaOS の入口は三つです。規則を自分で設計する(ファイルを直接書く、または内蔵文書を外部のコーディング支援ツールに渡す)、組織設計アシスタントに仕事の進め方を言葉で説明する、または会社が指定したブラウザアプリで仕事を一度やってみせる方法です。実演で見えた規則は責任者が文言を確認してから下書きの根拠になります。どの道も、GembaOS が検査し、別の人が承認するルール公開の下書きにつながります。

この記事では言葉で説明する道を、架空の家具のネット通販「家具オンライン株式会社」で、空の会社からたどります。画面はすべて実際のコンソールです。アシスタントの回答は 2026 年 9 月 27 日に実際のモデル(DeepSeek)から記録したものを再生しています。検査・承認・公開は、皆さんの環境と同じように動いています。

1. 空の会社から始める

新しい会社には、会社が決めるべきものが何も入っていません。承認者も、責任者もなく、職務権限表も空です。入っているのは GembaOS 自身の安全の下限と言語パックだけです。導入チェックリストはいまの設定を読み、次にやることを示します。ここでは従業員名簿を取り込み済みで、次は最初の業務です。

空の会社の導入チェックリスト:名簿は取り込み済み、次は最初の業務
空の会社の導入チェックリスト:名簿は取り込み済み、次は最初の業務

2. 仕事の進め方を説明する

社長の田中さんが、新しく来た業務責任者に話すように書きます。返金は誰が受けるか、いくらまでなら AI の確認だけで進めてよいか、それを超えたら誰が承認するか、責任者は誰か。

アシスタントは内蔵文書、現在の設定、従業員名簿、会社が使える操作を読んでから下書きを作ります。変更するファイルごとに、田中さんの発言をそのまま引用した根拠が付きます。人数や序列のように会社が決めることは、読み取った内容を示したうえで確認を求め、勝手に決めません。

田中さんの説明と、アシスタントの回答
田中さんの説明と、アシスタントの回答

根拠となったあなたの言葉の各行は、田中さんの発言のそのままの引用です。発言にない引用があれば、下書きはそもそも作られません。検査の注意のうち、設定の保守担当向けの技術的な内容は折りたたまれています。

下書き:変更ごとに本人の言葉、以前より緩和される点は別に表示
下書き:変更ごとに本人の言葉、以前より緩和される点は別に表示

3. 検査と、別の人の承認

ルールの公開の画面では、同じ下書きの組織の変更が並びます。新しい承認役とその担当、職務権限表の行、各担当が使える操作、責任者、影響する業務。起草した本人は承認できません。経理の山本さんが承認し、そのあとで初めて公開されます。

最初の公開の組織の変更:承認役、職務権限表、担当の権限
最初の公開の組織の変更:承認役、職務権限表、担当の権限

4. 会話を重ねて整える

最初の下書きで終わりではありません。後から話す一言ごとに、新しい会話と新しい下書きができます。

不正対応チーム。「不正の疑いがある返金は、金額に関係なく不正対応チームで確認する。リーダーは鈴木さん、メンバーは鈴木さんと伊藤さん。」ここでアシスタントは、すぐには下書きを作りませんでした。職務権限表では 10 万円を超える返金に 2 人の承認が要るのに、「チームの誰が承認してもよい」をそのまま読むと 1 人で決まってしまう、という食い違いを見つけ、二つの案と代償を示して尋ねました。田中さんが「10 万円を超える場合は社長の承認も残す」案を選ぶと、そのとおりの下書きになりました。

不正対応チームの下書き:田中さんの答えまで根拠に付く
不正対応チームの下書き:田中さんの答えまで根拠に付く

チームの承認は、リーダーが先に受け取り、メンバーの誰でも本人の名前で押印できます。押印にチームの名前が載ることはありません。

組織の変更:不正対応チームと、それが担う承認役
組織の変更:不正対応チームと、それが担う承認役

誰がどのデータを見られるか。「カスタマーサポートの人には顧客のデータだけを見せ、支払いのデータは見せない。」押印する鈴木さんと田中さんには金額が見えている必要がある、とアシスタントが指摘し、田中さんの答えを受けて、部署と個人ごとの定めになりました。これまで誰の表示も絞られていなかったので、最初の定めは厳格化として示され、各グループに見せる範囲は参考として並びます。

誰がどのデータを見られるか:部署と個人ごとの定め
誰がどのデータを見られるか:部署と個人ごとの定め

来月からの上限の引き上げ。「来月 1 日から、AI の確認だけで進めてよい返金の上限を 1 万円から 2 万円に引き上げる。」検査は上限の引き上げを緩和として示します。山本さんは今日承認し、GembaOS が 10 月 1 日の始まり(会社の時計)に公開します。それまでは手で公開できません。

施行日のある公開:今日承認し、当日に GembaOS が公開
施行日のある公開:今日承認し、当日に GembaOS が公開

導入チェックリストは新しい設定を読み直し、終わったものと、まだ開いているもの(不在時の引き継ぎ、実システムへの接続など)を示します。開いている項目からは、そのままアシスタントに相談できます。

四回の公開のあとの導入チェックリスト
四回の公開のあとの導入チェックリスト

GembaOS が確かめること、確かめないこと

担うもの
管理者の意図を読み取り、不明な点を尋ね、ファイルを提案するモデル(組織設計アシスタント)
引用が本当に管理者の発言にあるか。施行日にも本人の言葉があるかGembaOS
下書きが読み込めるか、版が上がったか、緩和される点、組織の変更と影響の範囲GembaOS
組織の規則の外のファイル(モデル設定、コンソールの認証情報)を拒むGembaOS
言葉が正しく理解されたか承認前に下書きを読む、別の人
公開承認のあと、または施行日に GembaOS

どう試験しているか

この記事の場面は、そのまま試験でもあります。場面は、管理者の発言、アシスタントの回答、下書きが満たすべき性質の組です。返金の経路に鈴木さんの承認がある段階がある、AI だけで進む段階がある、不正対応チームのリーダーとメンバー、カスタマーサポートの人が支払いのデータを見られない、施行日が 10 月 1 日。性質はモデルの説明文ではなく、GembaOS が下書きを実際に組み上げた結果から読み取り、オフラインで何度でも再実行できます。同じ場面がコンソールも動かしており、上の画面はそこから撮っています。

記録した場面の隣には、わざと不正に振る舞うモデルを演じる試験もあります。頼まれた厳格化に自動の段階を紛れ込ませる、自分のモデル設定を書き換える、一つの部署を絞りながら全員の表示を広げる、発言を捏造する、過去の施行日を付ける。どれも、モデルの行儀のよさではなく、GembaOS が止めます。

実際のモデルで記録したことで、本物の問題が見つかりました。空の会社では、アシスタントは最初、使える操作も従業員名簿も見えず、名前を推測していました。いまはどちらも読む材料に入り、存在しない操作名には実在する名前が返ります。また、先頭に新しい段階を足すと、差分が別の段階と比べてしまい、緩和と誤って示していました。いまは段階の位置ではなく内容で対応を取ります。

この記事が答える質問

組織設計アシスタントが自分で規則を変えることはありますか?

ありません。できるのはルール公開の下書きを提案することだけです。公開はできず、自分のモデル設定や管理者の設定も変えられません。下書きは管理者が提出し、別の人が承認します。施行日のある公開は、先に得た承認に基づき、その日に GembaOS が公開します。

頼んでいない変更をモデルが紛れ込ませたら、どう分かりますか?

プロンプトではなく GembaOS の検査で分かります。変更するファイルごとに管理者の発言そのままの引用が必要で、実際の発言と照合されます。以前より緩和される変更は、管理者が変更を頼んだファイルの中にあっても、別の一行として示されます。モデル設定やコンソールの認証情報など、組織の規則の外にあるファイルは下書きにできません。GembaOS が確かめられないのは、言葉が正しく理解されたかどうかです。そこを読むのが承認する人です。

会話をせずに、設定を自分たちで書いてもよいですか?

はい。同じ下書きは手で書くことも、GembaOS が書き出す内蔵文書を使って外部のコーディング支援ツールに書かせることもできます。検査と承認は同じです。組織設計アシスタントは入口の一つであって、唯一の入口ではありません。

2026 年 9 月時点で GembaOS は第三者認証を取得していません。本サイトの統制対応表は自己評価であり、監査を受けたものではありません。GembaOS は先行導入パートナーの段階にあります。 先行導入パートナーについて読む。

最終更新: · GembaOS v0.2