02 / 導入シナリオ
特採の根拠を案件に残す不適合品処置
GembaOS は、AI エージェントを職務権限規程・稟議・監査のもとで運用するための実行基盤です。ポリシーによる権限判定、パラメータに紐づくワンタイム許可証、人の承認記録を、オンプレミスまたはプライベート VPC 上で提供します。このシナリオは不適合品の処置です。保留中のロットを特採で使うのか、手直し、廃却、返品にするのか。誰が、何を見て、なぜそう決めたのかを残します。
特採の根拠は、なぜ案件に残らないのか?
特採(特別採用)は、規格を外れた品物を承認を得て使う処置で、顧客の規格にかかわるものは顧客の承認を得てから出荷します。判定そのものは毎日きちんと行われています。残らないのは「なぜ出してよいと判断できたのか」です。測定記録は別のファイル、顧客の承認はメール、決裁は紙の押印欄にあり、後から一つの案件として追えません。
AI による外観検査や記録の集計は広がっていますが、検出から保留解除までの間は、今も紙と表計算の押印です。GembaOS は、この間を一枚の稟議にします。
| これまで | GembaOS では | |
|---|---|---|
| 処置の申請 | 不適合報告書と、それをめぐるメール | 一枚の作業票。技術者の申告と、QMS から読んだ不適合報告 |
| 測定データ・顧客承認 | 「追加でお願いします」の返信 | 技術者の作業票への補正依頼。期限付き |
| 決裁 | 押印欄と回覧 | 一枚の稟議書。押印者ごとの所見と理由 |
| 保留解除 | 決裁の後に手で | ワンタイム許可証のもとで一度だけ。直前に報告を読み直す |
顧客規格の特採は、どう進みますか?
| 手順 | 誰が | 記録されること |
|---|---|---|
| 1. 申請 | 品質技術者が不適合報告を指定し、理由を書く | 本人の言葉。自分が起票した報告しか指定できない |
| 2. 経路 | 実行基盤が報告を読み、稟議を起票 | 事実(提案処置、顧客規格か、損失見込)と経路 |
| 3. 所見 | 品質保証課長が「顧客の特採承認が必要」で押印 | 所見により稟議は差し戻され、技術者に補正依頼が出る |
| 4. 補正 | 技術者が作業票で顧客の承認書を添付 | 補正の回、ファイル、到着時刻 |
| 5. 再提出 | 同じ稟議を読み直して再提出 | 前回閲覧以降の変化:新しいファイル、答えた補正 |
| 6. 押印 | 品質保証課長(処置に同意)、工場長(保留解除を決裁) | 二つの所見を持つ押印の連鎖 |
| 7. 実行 | 実行基盤が許可証のもとで | 報告を読み直して照合し、ロットの保留を一度だけ解除 |
統制点はどこにありますか?
記録と所見です。何をするか(処置の種類と数量)は不適合報告の項目で、押印者が選ぶものではありません。保留解除の直前に報告を読み直し、押印の後に提案処置が書き換えられていれば、稟議は差し戻され、ロットは保留のままです。押印したものだけが実行されます。押印者は playbook が定めた所見から選びます。「測定データが必要」は技術者に測定記録を求め、「処置を差し戻し」は担当者に戻します。
GembaOS は測定や判定そのものは行いません。処置ごとの事実を押印する人の前に並べ、誰がいつ何に押印したかを残します。
実機画面





始めるには何が必要ですか?
- 今の処置規程:どの処置を誰が決裁し、どれに顧客承認が要るか。
- 不適合報告を読む権限と、保留を解除する一つの操作(REST または SQL アダプター経由)。
- 役割ごとの所見を、御社の言葉で。
- 社内の ID 基盤でのログイン。申請者が本人であることの確認に使います。
この記事が答える質問
特採は誰が決裁しますか?
御社の規程が定める人です。出荷時の playbook では、自社規格の手直し・廃却で損失見込が小さければ品質保証課長が一人で押印し、特採・返品・顧客規格・大きな損失は工場長も押印します。条件は御社が決めます。
顧客規格の特採で、顧客の承認書はどう揃えますか?
品質保証課長が所見「顧客の特採承認が必要」で押印すると、稟議は差し戻され、申請した技術者の作業票に承認書の提出依頼が届きます。届くと、同じ稟議がファイルと補正の記録を載せて再提出されます。
押印の後に処置を書き換えたらどうなりますか?
保留解除の直前に、GembaOS が不適合報告を読み直し、押印時の内容(状態、提案処置、数量、顧客規格か)と照合します。違っていれば稟議は差し戻され、ロットは保留のままです。押印したものだけが実行されます。
最終更新: · GembaOS v0.2